中古マンション購入体験記 希望物件の登場から内見、買い付け申込書の提出

筆者が経験した中古マンションの購入体験記をブログにしました。今回は目当ての物件がウェブサイトに登場してからどのように物件の内見から買い付け申込書の提出に至ったのかを紹介します。

筆者の中古マンション購入記の第2弾です。
前回は中古マンションの検索方法を紹介しましたが、今回は検索がヒットして以降、筆者がどんなスケジュールでマンション購入のスケジュールを進めていったかを実際の日付をもとにブログにしていきたいと思います。

ついに候補となる中古マンションがウェブに登場

筆者が購入することになるマンションが登場したのは2021年6月8日でした。
媒体はスーモでした。夕方にいつもの通り、スーモから筆者の検索条件にヒットするマンションが送られてきて、その中に筆者が探しているマンションの1つが登場してました。
欲を言えばもう少し値段が高くてもいいので、面積は広い方がよかったですが、筆者の希望のレンジ内で、間取りも十分許容範囲でしたので、急ぎで妻と相談し、内見の申し込みをしようという話になりました。
この物件はウェブ上に実際の部屋のパノラマ動画も掲載されていたので、内見前には十分イメージがわきました。
築15年と決して新しくはないのですが、筆者希望のディスポーザーもついていましたし申し分ない物件でした。

なお、この物件は専任媒介契約の物件でした。

専任媒介契約の中古マンションの購入

※不動産売買では一般媒介と専任媒介の二つがあります。それぞれの意味はインターネットでググれば説明記事が見つかると思いますので、詳しく知りたい方はそちらをご参照ください。

専任媒介契約の場合、売り主とつながっているのは、専任媒介契約を結んだ不動産屋(以下「売主仲介会社」)だけです。
筆者は過去から中古マンションを探していたため、知り合いの不動産屋がいました。今回も彼を通して売主仲介会社にコンタクトを取るのか、それとも売主仲介会社に直接コンタクトを取るかを悩みました。
専任媒介契約の仲介会社は基本的に売主の味方しかしないでしょうし、不動産についてド素人の筆者としては不動産購入に伴うアレコレを説明してもらいたいと思っていたため、できれば売主仲介会社ではない、別の仲介会社を立てたいというのが本音でした。

ただ、知り合いの不動産屋に相談をしたところ、「この物件はまだレインズにも載ってないし、自社では仲介できないから、本気で買いたいなら売主仲介会社とコンタクトとるしかない」とコメントをもらい、結果、売主仲介会社にコンタクトをとることになりました。

売主仲介会社も当然売主、買主双方から仲介手数料を取りたいでしょうし、売れ残っている状況ならともかく、現時点では自社のみで買い手を探している状況でしょうからやむを得ないでしょう。
後日談として、売主仲介会社から聞いたところでは、ウェブに掲載して1-2週間たっても内見依頼の状況が芳しくなければ、他の仲介会社経由でも買い手を探す予定だったが、当面は自社のみで買い手を探す方針だったとのことでした。

また、事後的に考えれば筆者⇒筆者が依頼した仲介会社⇒売主仲介会社⇒売主という経路でやり取りをするよりも、筆者⇒売主仲介会社⇒売主でやり取りするほうが圧倒的に情報伝達がスムーズにいくため、そういう意味では買い手である筆者からすると専任媒介契約の仲介会社で買ったよかったと思いました(実際に担当していただいた担当者の人柄もあったと思います)。

今回の売主さんは他にもいくつは不動産を持っている資産家とのことで、今回の不動産仲介業者を通じていくつもの売買しているという事情もあり、不動産仲介業者は明らかに買い主である我々よりも売主の方を向いて業務をこなしていました。
この点についてはいい気分はしなかったというのは事実ですが、やはり現状のような価格高騰期においては売主の方が圧倒的に強いのは当然ですし、不動産仲介業者としても売り物件をいかに探してくるのかを主眼に置いていると思いますので、それは仕方ないのかなとは思いました。

中古マンション内見前に依頼する資料は?

内見申し込みに対して不動産屋から連絡があったのは内見申し込みから2日後の6/10でした。
内見申し込みをしたのは火曜日の夕方でしたし、水曜日は定休日ですので、2日後の返信になったと思われます。

内見申し込みの際に希望日時を伝えており、最初の週末の土曜日の午前に内見の予定を入れることができました。
軽く探ってみたところ、すでに何件か週末に内見の予定が入っていると言っていました。

内見まで2日あることから事前準備として以下の資料を事前に依頼しました。

  • マンションの図面:これを見ることで、自分の部屋の間取りだけではなく、マンション全体の導線などが確認できます。部屋だけでなくエントランスからの経路やゴミ捨て場、駐車場駐輪場の位置など確認しましょう。あとは間取り図だけでは確認できない3次元情報も確認できます。
  • マンションの分譲時のパンフレット:筆者はマンションのパンフレットを見るのが大好きです。設備や内装など、細かなところを確認しましょう。
  • 重要事項調査報告書:管理会社が作成する報告書で該当住戸の管理費やマンション管理の概要(修繕積立金の積み立て状況、駐車場の価格、増改築の履歴)などを確認できます。あとは管理費等の滞納状況も確認できます。
  • 管理規約:多くのマンションでは定型文書のままかもしれませんが、何か許容できない個所がないか否かはチェックしたほうがよいと思います。大型ペットは買えるのか、音に配慮は必要なのかなどです。
  • 長期修繕計画書:長期的な修繕積立金の値上げの予定などを確認できます。
  • マンションの管理組合の議事録:マンションで何か問題が発生していないかを確認するために依頼しました。

「中古マンションの買い方」的な本に載っているオーソドックスな依頼資料だと思います。
ただ、管理組合の議事録は不動産屋に依頼をしたものの、管理会社から「住民以外には提出できない」との説明があったとのことで、結局見れずじまいでしたので、口頭ベースで問題になっていることはないということを確認するにとどめました。

書籍では議事録を依頼しましょう!的な話は書いていますが、実際のところ皆さん入手できているんですかね?
中古マンションを買った友人が何人かいるのですが、全員依頼したけど入手できなかったといってました。。。

経験則としてアドバイスをすると、前向きに購入の検討をしているなら上記の資料は依頼すべきだと思いますが、軽い気持ちでとりあえず見に行くか?というノリであれば、図面、パンフレット、重要事項調査報告書くらいでよいと思います。

ちなみに筆者のマンションは修繕積立金の値上げが計画されていました。
ウェブサイトに掲載されていた時にも情報が載っていましたし、良好な管理のためにはやむを得ないと感じているので、仕方ないという感じでした。

これら資料は内見前に確認しておいた方が、不明点を内見時に不動産屋にも確認できるので可能な限り事前に見ておきましょう
後日談として不動産屋に言われたのは、依頼内容が的確だし、内見前にいろいろ見ていたのはわかったので、購入意思が高いという心証を得られたとのことでした。

内見当日

さて、いよいよ内見当日(6/12)です。
午前中の内見で、天気は晴れでした。部屋は南東向きでしたので、日照を気にする我が家にとっては絶好のコンディションでした。
穴が開くほど図面を見ていましたので、現地で確認するポイントも明確でした。

筆者はここ10年以上築10年以上のマンションに住んでいなかったことから、築15年の本物件の古さは否めませんでしたが、水回りを中心とした多くの設備はリフォームで交換予定のため特に気になりませんでした。
大きな傷もなく、過去の住人が丁寧に使っていたこともよくわかりました。退去時にはある程度の掃除もしていたようでごみが散乱している状況でもありませんでした。
後から知ったことですが、売主さんはご高齢だったこともあり、お手伝いさんが来ていたとのことであり、きれいに掃除をされていたのでしょう。

一通り見終わった後、不動産屋さんとは別室で妻と二人で作戦会議と称して話をし、お互い「よいのでは?」という結論になり、不動産屋さんに好意的に検討する旨を伝えました(この段階では買い付け申込書を出すとまでは言ってません)。
買い付け申込書は法的拘束力があるものではないただの意思表示ですので、「とりあえず出しとけ」みたいな体験談もたまに見かけますが、あまり不誠実なことはやりたくないため、確実に買う!と決めてから出すことを考えていました。

この場で不動産屋さんに伝達したことは以下の通りです。

  • 今日か遅くとも明日中には買う/買わないの意思表示を行う:自分たちのポジションを早めに伝えた方が不動産屋さんも動きやすいと考えました。
  • 住宅ローンを使う予定だが、別の新築マンションで今回のマンションの値段+3,000万円くらいで事前審査が通っている:現金で買う人には勝てないですが、自分たちの与信が大丈夫ということを伝えました。ただの口頭ですし、不動産屋さんがどこまで信用したかはわかりませんが、事前審査を通したマンションの細かい説明をしたので、うそを言っていないことは通じたのではないかと思います。
  • 値引きしてほしいこと笑:これは不躾なので、おすすめしないのですが、関西人の性として、値切らずにはいられませんでした。どうやら我々が内見1発目で、売りに出した最初の週末にもかかわらず値切らしてほしい旨を伝えました。とはいえ、値切り金額としては10万円単位の箇所を切り捨ててほしいという程度のものですし、それで売主が機嫌を損ねて売買が不調になるくらいなら値切る必要はないということも伝えました。

ここまで伝えたところ、不動産屋さんからは以下の通り説明を受けました。

  • できるだけ買う/買わないを早く決めて買い付け申込書を出してほしい:この日の段階でウェブを通じた内見依頼が5件以上来ているらしく、早めに態度を明確にしてほしいということを言われました。専任媒介である以上、売主のために動く必要があり、売主のことを考えると買い付け申込書が入っていない状況では他者の内見依頼を無下にするわけにはいかないと言われました。
  • 買い付け申込書を出しても現金購入の人が現れたらその人を優先する:基本的には早い者勝ちで対応をするものの、売買契約締結前に現金購入の人が出てきたら、その人が仮に後から現れたとしてもその人を優先すると説明を受けました。これは実際、購入経験者からするとそうならざるを得ないところだと思います。ローン審査は長い時間がかかりますし、場合によっては審査が下りないということもありますので、そのリスクを回避できる現金買い付け者が最優先されるのは当然です。
  • 住宅ローンを利用するなら都銀で事前審査を行ってほしい:住宅ローンで最終的にどこの金融機関を使うかは我々の任意でよいものの、事前審査は最低限都銀2行を通してほしいと言われました。住宅ローンについては別のブログで触れる予定ですが、我々は新生銀行ないし三井住友信託銀行で住宅ローンを検討していた。ただ、少なくとも事前審査は都銀を使うべしと言われました。これはネット銀行だと事前審査がゆるゆるなので、事前審査が通ったものの本審査で落ちるというケースが割合あるらしく、それを防止するためというのを聞いたことがあります。

ついに家を買うのか、とこの段階で晴れ晴れした気持ちになりながら帰路についたのをよく覚えています。

買い付け申込書の提出

内見の帰りの道中、妻と話をし、買い付け申込書を出そうという話になりました。
値段的にも間取り的にも十分許容範囲ですし、何より現時点で買うのが我々家族にとって一番良いタイミングと考えたからです。
2021年11月現在、東京のマンションは非常に高騰しており、今後どうなるかはわからないので、仮にマンション相場が下がったときには含み損を抱えてしまうリスクがあると思います。
ただ、相場がどうなるかは誰にもわからないのでそこを考えてもしょうがなく、「自分たちが買いたいと思った時が買い時」と我々は考えていたので、現時点で買うことにしました。

このマンションにたどり着くまで、新築マンション3件、中古マンション3件見ており、それらと比較したうえで今回のマンションが自分たちの希望に最も近かったことも決断を容易にした理由の1つだと思います。
もちろん待てば待つほど、より良いマンションに出会える可能性は高くなりますが、待てば必ずよりよいマンションが出てくる保証もないですし、今がベストと考えました。

時間でいうと13時頃購入の意思表示をメールで連絡しました。内見当日ですので6/12です。
ウェブサイトに載ってから4日、最初の週末の土曜日の午後イチですので、かなり早いスケジュールということが分かると思います。実際我々の次の方の内見は日曜日の午前と午後だったらしく、この週末で買い付け申込書を出していなければ別の方に先を越されていた可能性はありました。

当日の夕方ごろ買い付け申込書のひな形がPDF送られてきました。押印は不要とのことだったので、それに電子上で記入し提出し手続き完了です。
合わせて新生銀行&三井住友信託銀行の事前審査依頼をウェブ上で行いました。不動産屋から指定を受けた都銀については翌日にアプリを使って申請してもらうとのことだったので、自分たちで依頼をかけませんでした。

買い付け申込書を素早く提出できた要因

ここまで見てきた通り、内見して買うという意思決定を即決しました。
即決したことがよかったのか悪かったのかは数年たってわかることかもしれませんが、即決できた要因は以下の辺りだったと思います。

  • 自分たちの希望条件を明確にしていた:マンションを探す際にはエリア、面積、間取り、階、商業施設等の有無など自分たちが希望する条件を明確にしておく必要があり、そのあたりを事前にきちんと整理しておく必要があります。希望するマンションが出てきてからじゃあその周辺に何があるのか、70m2で足りるのか足りないのかなどを検討していると他の買い付け者に先を越されてしまいますし、焦って検討を進めると誤った判断をしがちです。
  • 複数マンションを見てきた:マンションのモデルルームや内見に行くにも書類をいろいろ欠かされたり、不動産の担当者がしつこいくらい連絡してきたりするのが面倒というのはわかりますが、やはりウェブ上で見る情報と実際に自分の目で見る情報は明らかに異なります。したがって、どれだけ面倒でもやはり足を運ぶべきだと思います。絶対買うと決めたマンションだけでなく、まだマンションの内見等に行ったことがない方は希望条件に6割-7割程度合致しているのであればとりあえず行ってみるのがよいと思います。
  • 相場感を持っていた:決断する最後はやはり値段です。どれだけれ希望条件を満たしていても価格が高ければ見送らざるを得ません。自分たちの予算内であっても相場より明らかに高ければ、内見はするもののいったんは見送ったうえで売り出し価格が下がるのを待つのも手です。一方で希望条件を満たすマンションが相場内であったり、相場より安いと判断できるのであれば即Goできるような感覚を持っておくためにも常日頃から自分が希望するエリア、マンションの相場観を養っていくことが必要です。

後日談として今回の不動産仲介業者から聞かされたのは、我々が買い付け申込書を出した翌日と翌々日に買い付け申込書は入ったそうです。
我々の決断が1日遅かったらアウトだった可能性がありました。
もちろん大きな金額ですし、焦って決断する必要はないのですが、即決しなければ人気あるマンションは買えないのが現状です。
マンションとの出会いは一期一会ですので、希望するマンションが登場した際には取り逃さないよう事前の準備をきちんとしておきましょう!